明朝永楽帝の命による鄭和(馬三保)の大航海は、その分遣隊が遠くアフリカまで到達したことでも広く知られている。今なお東南アジア各地に残る「三保公」の祠はその足跡を偲ばせるものだが、スリランカ・コロンボ国立博物館には、鄭和自身が残したとされる石碑が所蔵されている。 碑文は漢語・タミル語・ペルシャ語で記され、上部には龍の彫刻がなされている。残念ながらガラス越しの撮影だが、風化が進んだ石面の文字を間近で観察することが出来た。残念なことに「大明皇帝遣太監鄭和」の「鄭」は、ほとんど消えかかっている。 鄭和は雲南出身のイスラム教徒であり、元に仕えた色目人を先祖にもつ(馬姓はマホメットの意)。大航海を命じた永楽帝の真意にはついては諸説あるが、鄭和がその長い旅路を、遙か西方へ連なる自身のルーツに重ね合わせていたことは想像に難くない。 若くして明の捕虜となり、去勢され宦官として皇帝に献上された自分の運命を、長い旅の途上、どのような思いで見つめたのだろうか。博物館の片隅に置かれた石碑を前に、そんなことを思った。 にほんブログ村 スナップ写真
by silkroad4263
| 2017-01-25 23:59
| Sri Lanka
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by スクンビット総研
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