EOS40D / EF24mmF2.8 (Suncheon, 2008.12)

豊臣秀吉による朝鮮出兵時、日本側の手により、数多くの日本式城郭が造られた。その中でも最西端に位置するのが順天倭城（スンチョンウェソン）である。
光陽湾に面した砦は西側のみが地続きだったというが、埋め立てが進んだ今日、城址は海岸線から数キロ離れた場所に位置する。

EOS40D / EF24mmF2.8 (Suncheon, 2008.12)

1598年9月、キリシタン大名として知られる小西行長ら順天駐屯部隊13,000名は、明・朝鮮連合軍による水陸双方からの攻撃を受ける。この際、朝鮮水軍を率いたのが、朝鮮の民族的英雄・李舜臣である。
このとき既に秀吉は世を去っていたが、朝鮮で戦う将兵にその死は知らされておらず、日本勢は1ヶ月の攻防戦の末、城郭を守り切った。

EOS40D / EF24mmF2.8 (Suncheon, 2008.12)

同年10月、小西らにようやく撤退の命が下るが、海上封鎖により撤退の道を閉ざされてしまう。そこで島津義弘ら諸武将により編成された水軍は救援の為順天へ急行、露梁海峡で明・朝鮮水軍と激突した。世に言う露梁海戦である。激戦の末、李舜臣将軍は戦死を遂げた。

島津らの救援により虎口を脱した順天駐屯部隊は無事の帰朝を果たす。しかし秀吉亡き後、時代の趨勢は大きく変わりつつあった。
行長が関ヶ原の戦いに敗れ、京で斬首となったのは、僅か2年後のことである。

（2011/10/1 旧メインサイトより転載）

にほんブログ村 スナップ写真