
EOS60D / EF24mmF2.8 IS USM (Istanbul, 2013.8)
イスタンブール旧市街に位置する西洋料理店「プディング・ショップ」は、東西を行き交うヒッピーたちの情報交換の場として知られていた。沢木耕太郎氏も「深夜特急」の旅の途上この店に立ち寄っており、店内の掲示板でアムステルダムまでの同乗者を求める張り紙を目にしたときの心情を、「旅の終わり(注:ロンドンのこと)が不意に現実的なものになってきた。そのことにまったく用意のできていなかった私はうろたえてしまった」と綴っている。

EOS60D / EF24mmF2.8 IS USM (Istanbul, 2013.8)
もっとも沢木氏は「ヒッピーが屯するその雰囲気が余り好きになれなかったことと、値段のわりに料理がおいしくなかったから」ほとんど出入りしなかったそうだが、今でも店内の一部には掲示板が残されている。記念に貼っていくのか、比較的新しいメッセージも目に入った。

EOS60D / EF24mmF2.8 IS USM (Istanbul, 2013.8)
上の写真の男性によると、店内は数回改装工事が行われているものの、開業当初から移転はしておらず、経営者一家も当時のままだという。しかし、沢木氏が頻繁に出入りしたという隣地の「ホテル・グンゴール」は残念ながら現存しない。
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