
X-T20 / XF35mmF2 R WR (Singapore, 2019.7)
日本人墓地公園には明治から昭和初期にかけてこの地で命を落とした「からゆきさん」の墓石も多数存在する。戒名や俗名のほか「新加坡馬来(シンガポール・マレーストリート。往時は日本人置屋街であった)」「大日本長嵜縣長嵜市大浦天草」等の文字が読み取れるものが集まった一角もある。明治20年代に亡くなった初期のからゆきさんの墓石である。

X-T20 / XF35mmF2 R WR (Singapore, 2019.7)
しかし多くは小さく名も刻まれない簡素な墓石で、もとは朽ちた木標であったのを共済会(日本人会の前身)が建て直したものだという。当初は「精霊菩提」と刻まれていたというが、その多くは風化が進み文字を読み取ることは出来ない。
ただし、簡素な墓石の全てがからゆきさんのものというわけではないので注意が必要だ。

X-T20 / XF35mmF2 R WR (Singapore, 2019.7)
なお、敷地内には太平洋戦争における戦死者の墓石も多い。日本占領中の名称である昭南市の文字もみえる。戦犯として処刑された者の慰霊碑には、彼らの血が流された刑場の土が納められているという。
この墓地が公園として残されていることに感謝したい。
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