![]() 嘉永3(1850)年10月(9月とも)、17人乗りの廻船・永力丸は紀伊半島沖で遭難。2ヵ月の漂流ののち、奇跡的に米国船オークランド号に救助され、乗員はサンフランシスコへ向かった。そのなかにいた若干13歳の少年が後にジョセフ・ヒコとして知られる彦蔵であり、彼の生涯は吉村昭の小説「アメリカ彦蔵」に詳しい。 一行の多くは様々なルートを経て幕末期の日本へ帰国を果たした。彦蔵自身は一旦仲間とともに香港へ渡るも、踵を返し再び米国に向かっている。 なお、このとき彦蔵と別れた13名は後に上海で尾張出身の元漂流民・音吉の世話を受けている。彦蔵自身も帰国直前の1859年、同じく上海で音吉と面会しており、鎖国下から開国直後の時期においても日本人同士のネットワークがある程度構築されていたことを物語っている。 音吉関連記事: シンガポール 江戸時代の漂流民・音吉が眠る墓地 愛知県美浜町小野浦 漂流民・音吉たちの墓碑 ![]() 米国で洗礼を受け、米国人となった浄世夫彦こと彦蔵の墓碑は青山霊園の「外人墓地」に遺されている。一方で、墓石の側面には戒名も刻まれており、日本と米国の狭間で揺れた心を今に伝えているかのように思えた。 ![]() なお、彦蔵の墓のすぐ近くに「チベット旅行記」で知られる河口慧海の墓があることを偶然知った。背景や理由は違えども、河口慧海も彦蔵も今とは比較にならないほど交通・通信が限られていた時代に壮大な旅路を進んだ先人である。静かに手を合わせ、その場を辞した。 ![]() いずれも本日(4/23)撮影。 にほんブログ村 スナップ写真
by silkroad4263
| 2022-04-23 23:59
| Tokyo(都内全駅途中下車の旅)
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